ピクトグラミングシリーズ(ピクトグラミング,ブロックピクトグラミング,ピクソン,ジャバスクピクト)は,ピクトグラム作成環境ですが,初中等教育機関における授業利用に力点をおいています.

 

小学校での教育課程内のプログラミング教育について,A分類 学習指導要領に例示されている単元等で実施するもの,B分類 学習指導要領に例示されてはいないが,学習指導要領に示されている各教科等の内容を指導する中で実施するもの,C分類 各学校の裁量により実施するもの,D分類 クラブ活動など,特定の児童を対象として実施するものの4種類に分類しています.

特にA分類で例示されている小学校5年生   算数 図形(多角形)の性質については,すでに多くの実践事例が報告されています.多くは,タートルグラフィックスで図形を描くプログラムを通じて図形の性質を学ぶ実践となっています.ピクトグラミングでは,タートルグラフィックスに相当するグラフィックス描画およびその拡張方式もサポートしていますが,「人型ピクトグラムの様々な部位を使って線画を描く方法」もサポートしています.機能を限定した,小学校授業向けカスタマイズアプリケーションも用意しています.

 

中学校では,2021年度より適用される学習指導要領の「技術・家庭科」で,計測制御のプログラミングに加え,インタラクティブなコンテンツを生成するプログラミングも加えられ,プログラミングの比重が高まります.人型ピクトグラムは,四肢二関節のロボットとみなすことができ,ロボット制御のシミュレータソフトウエアとしての活用が想定できます.またピクトグラムというインタラクティブコンテンツ生成の視点のプログラミング環境としても利用できます.

高等学校では2022年度より学年進行で適用される学習指導要領において,情報の科学的理解を基軸とする「情報I」が必履修科目となります.その四本柱には,プログラミングによりコンピュータを活用する力,モデル化,シミュレーションによるモデル評価などから構成される「コンピュータとプログラミング」という項目の他に,情報デザインに配慮した的確なコミュニケーションの力を育む「コミュニケーションと情報デザイン」があります.科目単元として学習する際,限られた授業時間数の中でどう設計するかは,主題の一つであり,人型ピクトグラムを主眼に置くことで,両方の項目を複合的かつ効率的に学ぶシラバスが設計できるのもピクトグラミングの長所の一つです.既に高等学校での利用事例は多くあり,高評価をいただいています.授業利用可能なテキスト等は公開しています

また,総計90分程度の「情報I」研修用動画および授業で加工活用できるスライドも用意していますので,教育委員会様等でご活用いただけるところがございましたら,ぜひご連絡ください.

 

ピクトグラミングは,例示した内容以外にも小学校から高等学校に至るまで様々な切り口での活用が見込まれます.人型ピクトグラムという抽象度の高い人間を模した表現が主題であるゆえに,人の日常的活動や社会的活動にリンクしたテーマが教科や教育段階の枠を超えて設定しやすいと考えています.また,人型ピクトグラムは,我々人間がメタ的,客観的に我々の活動を振り返りながら,我々の化身として人間中心の学習環境を設計・構築していく手助けとなるでしょう.

ピクトグラミングシリーズを使って,写経する一斉授業だと,大勢の人型ピクトグラムが同じポーズをしているのが自然に学習者の視界に入ります.この情景はとても奇妙で不気味です.だだ,これもある意味その教室空間を端的に表現したピクトグラムといえます.一方で,学習者のちょっとした書き間違いで,ユーモア,シュール感満載のピクトグラム(アニメーション)が生成され,周囲も含め思わず笑ってしまう.その場の雰囲気を一瞬で変えてしまうのも特徴です.つまり一斉授業からの転換をサポートするツールとも言えます.

ぜひ授業等でご活用ください.

”ピクトグラミング”という言葉は,単なる1アプリケーションを超えた,未来の教育・学習を考える上での基本概念としての活用を目指しています.

 

ピクトグラミングのプログラムは,著作権で保護されていますが,ピクトグラミングは単なるオーサリングツールですので,
当然ピクトグラミングを使って作成されたピクトグラムの著作権は,そのピクトグラムを作成された方に帰属します.ご安心ください.