社会や身の回りに役立つピクトグラム
これまで,自由な発想で様々な作品を作成してきたと思います.今回は,社会や身の回りに役立つピクトグラムというのを作成してみましょう.下のピクトグラムは,いずれも安全図記号で指定されている図例です.さらに禁止,注意,指示,安全の4項目に関するピクトグラムデザインのガイドラインも策定されています.通常,世の中に広く普及しているピクトグラムは作成ガイドラインに則ってデザインされています.ピクトグラムで大切な事は誰にでも正しく伝わるという事なのです.ピクトグラミングでは通常のモードに加え,禁止(Prohibit),注意(Attention),指示(Instruction),安全(Safety, Safety Green, Safety Red) のピクトグラムを作るための6つのモードを備えています.
それぞれのモードには,単一の命令で変更することができます.
命令の様式 | 処理 |
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S | 安全モード(Safety mode)以外で実行すると安全モードに変更する。 安全モードで再度命令すると通常モードに変更する。安全モード中に描画 した線画の色は人型ピクトグラムと同じ緑色となる。 |
SG | 安全緑モード(Safety Green mode)以外で実行すると安全緑モードに変更する。 安全緑モードで再度命令すると通常モードに変更する。安全緑モード中に描画 した線画の色は人型ピクトグラムと同じ白色となる。 |
SR | 安全赤モード(Safety Red mode)以外で実行すると安全赤モードに変更する。 安全赤モードで再度命令すると通常モードに変更する。安全赤モード中に描画 した線画の色は人型ピクトグラムと同じ白色となる。 |
P | 禁止モード (Prohibit mode) 以外で実行すると禁止モードに変更する。 禁止モードで再度命令すると通常モードに変更する。 |
I | 指示モード(Instruction mode)以外で実行すると指示モードに変更 する。指示モードで再度命令すると通常モードに変更する。指示モード中 に描画した線画の色は人型ピクトグラムと同じ白色となる。 |
A | 注意モード(Attention mode)以外で実行すると注意モードに変更する。注意モードで再度命令すると通常モードに変更する。 |
動くピクトグラム
さて、世の中に溢れるピクトグラムはポスターなど紙媒体上で提示されているので基本は画像(静止画)です。一方最近では、デジタルサイネージ(電子掲示板)の発達により、街中でもアニメーションのピクトグラムを提示させることができるように技術的にはなっています。またスマートフォンなどは位置情報や無線によって、状況に応じて画面上に何らかの表示をすることができるようになっているので、静止画や動画のピクトグラムを表示させて、注意喚起や情報提供をすることができるでしょう。
ピクトグラミングは,静止画だけではなく動画(アニメーション)のピクトグラムを作成することができます。ぜひ、単なる静止画のピクトグラムではなく、オリジナルのアニメーションピクトグラムを作成してみましょう。
作品例
ピクトグラミングで作成したピクトグラムの例です.ピクトグラムをクリックするとプログラム作例の紹介ページへ遷移します.
感情を持つピクトグラム
ピクトグラミングの命令に「お面」命令と「仮面」命令があります.命令セットは以下の通りです.MSはMaskの略,PSはPersonaの略です.
人型ピクトグラムは,表情を作ることができません.ですので,お面を装着することにより感情を表出するようにしました.
命令の様式 | 処理 |
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MS arg1 |
人型ピクトグラムにお面を装着する.装着するお面の種類はarg1で指定される.
arg1 がANGERの場合,怒りのお面 |
PS arg1 |
人に仮面を装着する.装着する仮面の種類はarg1で指定される.
arg1 がANGERの場合,怒りの仮面 |
こんな感じのピクトグラムが作成できます.先ほど紹介した「歩きスマホ禁止!」も一つの表現ですが,周囲の人々がどう感じているかいう情報を含めたピクトグラムというのも新しいピクトグラム表現の一つとして考えられますね.
世界中のみんなが頼る人型ピクトグラム
人型ピクトグラムをどのようにデザインするかは、世界的な基準があります 。よってその基準に沿ってピクトグラム作ることが重要です。ピクトグラミングは、世界的な基準に沿ったピクトグラムをみなさんが作るサポートをします。一方で,これまでなかった方式のオリジナルピクトグラムを作って、社会をより良くしていく。ピクトグラミングはみなさんの社会をよくするための表現力や想像力を積極的にサポートしていきます。
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